
先日スタジオジブリの最新作が発表されました。佐山哲郎原作、高橋千鶴作の「コクリコ坂から」で、来年夏公開に向けて現在制作中だそうです。監督は「ゲド戦記」の宮崎吾朗氏。
さてこの「コクリコ坂から」ですが、宮崎駿氏は1991年1月号の「Comic Box」にて手記を寄せています。そこでは冒頭に「ぼくは高橋千鶴さんのファンである」と書かれています。宮崎氏が漫画家をはっきり名指しで「ファン」と語った事はこの他ではあまり記憶にありません。
高橋千鶴さんの漫画を読んだきっかけは、1984年の映画「ナウシカ」の制作が終わり、その年の夏に静養で信州の別荘に滞在した時に暇つぶしに読んだ雑誌「なかよし」に掲載されていたそうです。この「なかよし」も1980年のものですから随分と色あせた雑誌を読んでいたものだと思います。
しかしこの色あせた雑誌の中の「コクリコ坂から」は、宮崎氏の目には新鮮に映り感動したとこの手記から読み取れます。
後に「耳をすませば」の制作時に宮崎監督は「少女漫画は映画になるか?」について、悩みに悩みこのテーマを考察して行きました。このテーマを考えるきっかけになったのは当然「コクリコ坂から」でしょう。幸いこの「耳をすませば」は近藤喜文監督によって素晴らしい映画になりえた訳ですが、今回の「コクリコ坂から」はどうなる事でしょうか?
絵柄がかなり古い少女漫画風ですが、キャラクターデザインの近藤勝也氏がどう描いて行くのかが楽しみです。そして監督の宮崎吾朗氏。「ゲド戦記」ではかなり酷評されていましたが、前作とは全く違った作品内容だけに逆に良い映画に仕上がるのでは、と期待しています。