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ネコの消化器型リンパ腫

    ネコの消化器型リンパ腫1

 先日、一ヶ月近く続く慢性の象徴性下痢を呈すネコ(避妊済み♀、年齢不明)を診察しました。診察では体重の減少と、上腹部の若干の膨満以外は異常を認めませんでした。

 血液・生化学検査では異常を認めず、超音波検査では上部消化管の食渣の滞留と3~4㎝程の中エコー性のMass病変を認めました。

 その日の内にバリウム造影検査を実施しました。

    ネコの消化器型リンパ腫2

    ネコの消化器型リンパ腫3
 バリウム投与前のレントゲン写真です。上部消化管に食渣が滞留していて、回盲部以降もガスの貯留が顕著に見られます。

    ネコの消化器型リンパ腫4

    ネコの消化器型リンパ腫5
 バリウム投与3時間後です。

    ネコの消化器型リンパ腫6

    ネコの消化器型リンパ腫7

 バリウム投与6時間後です。

 胃・十二指腸での食渣の流れはスムーズですが、空回腸部での食渣の停留が少し見られます。また、回盲部での食渣の滞留が見られる事から、閉塞があるかもしれません。

 さて通常ですとここで内視鏡検査をする所ですが、当院では十二指腸以降に到達できる内視鏡がないため、これ以上の検査をするのであれば試験開腹をする事になります。

 3日後試験開腹当日にもう一度超音波検査を行いました。

    ネコの消化器型リンパ腫12

    ネコの消化器型リンパ腫11

 腎臓の後方に中エコー性のMassがやはり見られ、小腸がダンゴ状になっている様にも見られました。ただし腸壁の肥厚は見られませんでした。

    ネコの消化器型リンパ腫8

    ネコの消化器型リンパ腫9

    ネコの消化器型リンパ腫10

 開腹した所、腸間膜リンパ節が5㎝ほどに腫大し、結腸の拡大(内部に液体貯留)、していました。また、空回腸の壁が肥厚しもろくなっていました。ただし消化管に閉塞は認められませんでした。

 結局、空回腸の全層生検するために、壁を少し切除して手術を終えました。採取した組織は病理検査に送る事にしました。

 全体を通しての私の予想では、手術で特に閉塞物が認められなかった事から、なんとなく消化管型リンパ腫かなぁ~と思っていました。

 後日送られてきた結果では、やはり「消化管型リンパ腫(Low Grade)」でした。
 これは低悪性度のリンパ腫で主な症状は下痢などですが、慢性に経過し急激な体調の変化はあまり見られません。
 治療はステロイドと療法食でまずは行う事にしました。 
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