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リンパ水腫を起こした猫

 某日「気が付いたら痩せていた」と言う事で17歳の♀ネコ(避妊済、完全室内飼い)が来院しました。診察では
・重度の削痩(1.8kg)
・脱水
・ふらつき
・やや可視粘膜蒼白
・左腎臓の最後肋骨への癒着
・第3腰椎付近の圧痛         が見られました。
 血液検査と腹部・腰椎を中心にレントゲン撮影をしたところ
・血糖値10以下
・腎臓値(BUN、Cre)の中等度の上昇
・左腎に結石
・第3腰椎の骨融解像
が見られ、続いてエコー検査をしましたがそれ以上の情報は得られませんでした。
 即入院を提案し静脈内持続点滴による血糖値と腎臓値の改善を行いました。翌日には改善したのですが、はたしてネコでここまで血糖値が下がる理由は何なのか?ネコではここまでの低血糖は余り一般的ではありません。私はその時何等かの腫瘍が頭をよぎりました。
 入院3日目左後肢の浮腫が起こりました。おそらくリンパ管の閉塞によりリンパ水腫の状態になったと思いました。私が予想したのは第3腰椎付近にリンパ腫が存在し、腰椎の骨融解と腎と肋骨の癒着を起こし、リンパ管の閉塞を起こしたのではないか?
 しかしこれを確定診断するにはCT、第3腰椎の組織の採取が必要なのですが、飼い主は更なる検査を望まず、抗生剤とステロイド(Pre1mg/kg SID)点滴の治療で様子を見ました。その後両後肢の浮腫が起こりました。
 初診から7日目両後肢の浮腫は変化しないものの、状態は落ち着いていたため自宅にて経過観察をしてもらい、引き続き抗生剤とステロイドの治療を継続しました。
 初診から8日目浮腫は前肢にまで及び、全身状態も悪くなっていました。
 初診から10日目自宅にて死亡。
 ネコのリンパ水腫はそれ程一般的ではなく、なぜこの状態に至ったのか確定する事は出来ませんでした。そしてなぜ低血糖を起こしたのかも・・・

※この記事は本家サイト「Thrones Kingdom」の2010年7月3日の日記より転載しています。
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